文責 假屋 由美子

こども園で大事にしたいこと④        

〜刃物に出会う〜

子どもたちには出来るだけ怪我をさせたくない。保護者の方からすれば当然のことだと思います。もちろん私たち園でもできるだけ、大きな怪我は避けたいと思っております。しかし、小さな怪我に関しては適度に体験してほしいと思っております。それは、「小さな怪我をすることで大きな怪我をしないように」という願いからです。

こども園では、はさみや包丁に当たり前に出会います。もちろんどちらも刃物であり、とても危険なものです。そのため、初めて出会う際には子どもたちに丁寧に話をします。特に包丁は、使う時はもちろん、片づけの仕方、運び方など、1つ1つ動作も踏まえながら伝えていきます。それでも、時々包丁で手を切ってしまうことがあります。その時は「どうして切れてしまったのか?」「どうすれば怪我をせずに済んだのか?」という話をします。そのことで子どもたちは「痛み」を体験し、「怪我をしたくない」という思いへと繫がります。

「包丁で手を切ったら痛い」という言葉だけでは知り得ない本当の痛みを経験することで、次の刃物の使い方へつながっていくと思っています。是非保護者の方も怪我をして帰ってきた際にはどうして怪我をしたのか?などを聞いてみて下さい。今だから大切だという体験をしながら、小さな怪我から大切なことを学んでいってほしいと思います。