文責 假屋 由美子

こども園で大事にしたいこと② けんかの大切さ    


 「人は1人では生きていけない」とよく耳にしますが、どういうことなのでしょうか?一人で食事をし、1人で眠り、1人で仕事をすれば生きていけるのでは?しかし、食事の食材を作っている人もいる。仕事も会社があるから働ける。コンビニに行けば、働いている人がいて流通があるから購入できる。当たり前のことが実は人に支えられているという事実になかなか気付けないことがあります。
こども園では毎日のように「けんか」と呼ばれる大人から見れば争いがあります。「そんなことで怒らなくても・・・」と思うことでも子どもの世界では大問題です。子どもたちの会話の中でよく「○○くんが叩いた」「○○ちゃんが嫌なことする」という言葉がでてくると思います。子どもはされたことを中心に話してくるので保護者の方も心配になることも多いと思います。しかし、実際は内容が違う事もしばしば・・・。けんかでは、もちろん「されて嫌なこと」を体験することもあります。でも実は、けんかをすることで相手を知り、さらに仲良くなることがほとんどです。「されて嫌なこと」を知るということはとても大切なことです。自分が「されて嫌なこと」を次に人に同じことをするのか。それが成長の1つになると思います。また、違う人の意見を耳にすることで自分以外の意見を知ること、自分以外の発見に出逢う事、様々な出会いがあると思います。これも相手があるからこそです。相手がいるから、色々な見方を知ることができる。相手がいるから成長できる。そう思えることがとても大切だと思います。けんかをするからいいのではなく、けんかのその後をこれからも大切にしていきたいと思います。