こども園で大事にしたいこと⑫

〜困ること~

文責 假屋 由美子

少しでも園の事を理解していただきたく、1年間「大事にしたいこと」と題し書かせていただきました園だよりも今月で最後になりました。最後は「困る」ということについて書かせていただきたいと思います。

 大人(親)は、何となく正解を知っているような気になり、子どもを助けたいという思いから「困る」という体験をさせない傾向があります。「こっちを選んだら間違い」「あっちを買った方がいい」など何となく大人の主観で様々なことが進んでいるのが家庭です。しかし、子どもたちは「困る」という経験から「次は失敗しない」という体得する知識を得ることができます。子どもたちに正確な知識をつけたいと思うからこそ、「困る体験」を大切にしてほしいと思います。もちろん、命の危険にさらされることは止めなければなりません。しかし、多少の失敗や擦り傷で済むのならどんどん困ることを経験してほしいと思います。特に年長になると自分で判断をし、進んでいかなければならない小学生になります。今後の人生においても自分で判断をしなければならないことはたくさんあります。どうか、自分の納得する人生を進めるために子ども時代にたくさん「困る」体験をしてほしいと思います。

コロナウイルスで様々なことが制約され、数年前には考えなくても良かったことに頭を抱え、段々何が普通なのか分からない時代になりつつあります。そんな時代だからこそ、しっかり自分の考えが持てる子どもたちになってほしいと思います。正しい判断ではなく、自分が納得する判断のできる子どもたちになってほしいと思います。

あっという間の1年。保護者の皆様には、ご迷惑等おかけしたかと思いますが、ご理解ご協力いただきまして誠にありがとうございました。