第45号 文責:山下 沙樹
先週の食後の室内あそびの時間の出来事です。らきゅうという小さなブロックで遊んでいたりゅうしんくんとたいがくんが言い合いを始めました。「それりゅうしんのだよ!」「たいがのだよ!」とどちらも自分の物だと主張しています。ときには少しだけおもちゃを引っ張り合うこともありますが、お互いに取り合いではなく話をしていこうとする意志がみられ、言葉で伝え合っていました。この二人は、よく一緒に遊ぶことが多く、普段から仲良しです。このように気持ちがぶつかり合うこともありますが、ありのままに気持ちをぶつけ合え、その都度仲直りをして絆を深めてきたよきライバルのような関係でした。
やり取りを見守っていると、りゅうしんくんはどうしてこれが自分のものなのかを説明するように伝えていき、一方のたいがくんは、大きな声で勢いよく感情をぶつけるような伝え方をしていました。りゅうしんくんは、力でおもちゃを取らないようにと考えているようで、自分で腕を後ろで組んで話をしているのがわかりました。
たいがくんは、大きな声で伝えてみることでりゅうしんくんの気持ちが動くことを期待していたようでしたが、変わらないと分かり、また相手の話を聞くことで、考えるように歯をかみしめ勢いよく伝えることが減っていきました。長いこと続いた議論の末、たいがくんがりゅうしんくんにおもちゃを渡しました。自らの意思で渡したのですが、渡して立ち去るときに相手を睨み付け、少し離れたところからしばらくそのまま見ていました。この姿がとても子どもらしく、たいが君の気持ちを代弁するなら、おもちゃが欲しい気持ちから勢いよく伝えるも、社会のルールというものを感じ、葛藤の末おもちゃを手放したようでした。
普通ならこれでやり取りが終わることが多いのですが、ここからが二人ならではなのです。あれだけの議論の末におもちゃを手にしたりゅうしんくんでしたが、ソワソワし遊ぶことをやめて、たいがくんを探しに行きました。りゅうしんくんはまた一緒に遊ぶためのきっかけを探しているようですが、たいがくんは別の遊びを始めています。近くを行ったり来たりしていると、たいがくんの方から「これしよう」と誘ってくれたことで、今度は紙あそびを一緒に楽しんでいましたよ。
このようにお互いに自分の気持ちを言葉にして議論し合えるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。また子どもらしく、ありのままに気持ちを表現しているところも、かわいらしいですよね。気持ちを伝え合ったぶん、相手の気持ちに気づき、自分をコントロールしながら、社会性やコミュニケーション能力が育てられていきます。大きくなっていくにつれ必要な力の基礎を友だちとのかかわりの中で身に着けていけるように援助していきたいと思います。
☆今年度の絵本の貸し出しは終わりました。来年度に向けて、一度絵本の返却をお願いしています。
【今週の予定】
11日(水)小運動会 14日(土)散歩 12日(木)体育)縄 16日(月)体育)ソーラン節 13日(金)わらべうた)鼓動 17日(火)造形)折り紙