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認定こども園かさぎは鹿児島県曽於市にある施設です。

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保育内容CHILD_CARE

めざす子ども像

保育目標を体現する具体的「子ども像」は次のようなものです。

・相手との違いを認め、友だちと力を合わせ活動できる子ども
・生き物のいのちを大切にし、変化する季節を楽しめる子ども
・人の話をよく聞け、物事をよく見つめ、考え、表現できる子ども
・生活習慣をよりよく身につけ自然に行動できる子ども
・身体的活動を楽しんで行う子ども


子ども像を実現するための保育構造

めざす子ども像を実現するために、次のような保育を行います。

◆基本的生活:

自立と自律のための生活リズム、身辺自立、社会的マナーの習得をはかる保育。

◆あそび活動:

子どもの全面発達をはかるもっとも重要な活動。頭と体を働かせ、 いろいろなおもちゃ・遊具を使い楽しく、おもしろくあそぶ保育。

◆課業活動:

あそびや基本的生活の知識や技術を学習し、あそびや生活をより楽しく、より豊かにするために取り立てて行う保育。

◆集団つくり:

☆自分たちの生活は自分たちでつくる『自治能力』を育てる当番活動(給食当番等)や係活動(小動物の世話=飼育活動等)。

☆あそび活動や課業活動を生活を自分たちで協力し合ってつくって行くための話し合い活動。

子ども像実現のための職員の役割

豊かな保育を展開するために保育者は次の役割をにないます。

◆「仏の子」としての一人ひとりの人格を敬い、人権を尊ぶ接し方をする。

☆子ども一人ひとりの思い・気持ちを大切にし、子どもの目線で対応し、親ししいことばがけをする。(たたく、脅す、無視することをしない。つまり大人に都合のいい《管理保育》をしない)。

☆子どもの自由や主体性を第一義として尊重する。それは子どもをほったらかし好き勝手にさせることではありません。それは保育の放棄であり、「放任」でしかありません。

☆子ども一人ひとりに信頼される保育(信頼なき保育は成立しない)。

◆保育者・調理担当者は、子どもの全面発達を実現するために、その準備、学習・研究、学び合いを怠らない。また自分の仕事ぶり(保育や調理、子どもや大人との対応の仕方)が適切であったか《自らを省みる》ことこそが大切ですから、それを心がけます。

◆職員は、自己の職務上の責任を果たしつつ、お互いの人格を尊重し、保育観の共通認識化、保育実践の技量向上のために、職員同士協力しあい、謙虚に学び合う職員集団をめざします

子ども像実現のための園の役割

・子どもが『ほっと』できる、安心して登園したくなる雰囲気つくり
・子どもがいきいきと遊べる良質のおもちゃ、絵本、遊具の整備
・保護者が安心して預けられる雰囲気と良質の保育の展開

◎保育時間について

◆別紙「ディリープログラム(日課)」を参照してください。
◆登園は、3才以上児は朝8時30分までに。
 4・5才児は庭掃除、係活動を8時30分より行います。
 0・1・2才児は、8時30分頃から朝のおやつ。   登園時間にご協力ください。
◆午後6時以降は『延長保育』ですので、入園時にお申し込み下さい(有料)。

◎給食について

◆本園で大事に考え行っていることは次のことです。
・栄養バランスを考え、何でも食べられる子ども
・主食に『五穀』を混ぜる。
・食の安全性を考え、添加物のないもの、少ないもの、また農薬を使ってないもの、抑えたもの、安全上気になる輸入ものはできるだけ使わない。
・食べ物は「いのちあるもの」です。そのいのちが「私のいのち」になるのですから、いのちとそのいのちを育てた人、作った人に感謝していただき、決していのちを粗末にする食べ方はしません。(食べちらかす、残すなど)。


ディリープログラム (日課)0.1.2才以上児              ディリープログラム (日課)3.4.5才児

日時 内容 日時 内容
7:00 開  門  登  園 7:00 開  門  登  園
8:30 朝のおやつ 自由あそび 8:30 庭掃除  自由あそび
9:00 体育あそび・体操 9:00 体育あそび・体操
9:30 ミーティング(朝の会10分) 9:30 ミーティング(朝の会10分)
9:45 課業的活動・散歩 9:45 課業的活動・散歩
11:10 昼 食 0才児11:00 11:15 睡 眠 3才児10:45
11:45 睡眠 12:15 昼 食
1:30 あ そ び 1:00 あ そ び
3:00 お やつ 3:00 おやつ
3:15 あそび 3:15 掃除 部屋.廊下
3:45 お帰りの会 3:45 お帰りの会
4:00 自由あそび 4:00 自由あそび
5:30 遊具片付け 5:30 遊具片付け
6:00 延長保育(有料) 6:00 延長保育
7:00 閉  門 7:00 閉  門

本園の課業について

  ☆課業(=設定保育、一斉保育)は3歳から、年齢で少しことなりますが
   @文学
   A音楽
   B描画造形活動
   C環境認識・数
   D体育
    以上の5課業を行います。 小学校の「授業」のマネではなく、発達に即したことを遊び感覚で行います。

1) 文 学
 文学は、何よりもまず《楽しみ》であり、《おもしろい》ことが第一義です。ですから絵本やお話を楽しんで《聴く》ことを大切にします。それ以外の、文学を楽しむことで繊細で豊かな感性・情緒そして想像力を育てば幸いです。しかしそのことを目的とはしません。そんな『教育的効果を考えて行いますと《おもしろくないもの》 《楽しくないもの》になるからです。またそれをいろいろな道具を使って演じ、《観る》楽しさも育てたいと思います。さらに次には子ども自身が《自分で演じる楽しさ》につなげたいと思います。

  また《ことば》は意思伝達の重要な手段の一つです。自分の考えや思いを伝えられるように、『ことばあそぴ』をとおして論理的な話しことばを育てる課業も行います。文学を楽しみ、ことばを楽しみ。それを《わがもの》にすることを目的とします。ですから本園では読み・書くの『文字指導』は行いません。それには教授法(指導方法)の知識と技術が必要です。しかし文学の課業やあそびの中で《読み》は結果的にできるようです。


2) 音  楽
 本園では、音楽は《わらべうた》で行っています。
本園では、音楽をしつけや合図・号令の手段として使うことはしません。《音楽を楽しむ》ことを本園の願いとしています。本園は以前は、楽器操作の技術習得に力を入れ、子どもを叱咤激励して鼓笛隊のまねごとをしたことがあります。(親には受けました)子どもは喜ばず、音楽を楽しみ、感覚を育てるという願いに反しましたのでやめました。そして課業としては、コダーイシステムの《わらべうた》を採用しました。

 日本の音楽教育に重要な影響を与えたという3つの音楽教育システムがあります。
ダルクロ−ズのリトミック、カール・オルフのオルフシステム、そしてゾルタン・コダーイのわらべうた(コダーイシステム)です。コダーイは「音楽を愛し、音楽をわかる人間を育てる」を主張し、「自国語で、自国の音楽で、音楽教育を始める」という基本的考えから子どもの音楽教育の重要性を説き、音楽教育を始める場所として幼稚園を選んだ、と言われます。日本では他に、バイオリンの鈴木慎一の鈴木メソッドや絶対音感がありますが、これらは才能教育、早期教育に結びついているようです。しかし、一般的に幼稚園・保育園で行われているのは、何の理論的根拠やシステムもない、しつけ的うた、おゆうぎです。

 わらべうたでは《肉声》で歌い、あそぴながら(手拍子、足拍子、定足み、歩き)自分でうたう歌を聞き、年齢に応じた《鼓動》 《大・小》 《高・低》の感覚を育てるように課業計画を立てて行っています。そのため伴奏のための楽器やCD等の機械音は使いません。
 しかし本園は、操作技術を自的とした楽器演奏ではなく、楽器の音の違いを楽しむ程度の楽器あそぴを行い、また散歩が楽しく、みんなの気持ちが共感し合う童謡等の《うた》もうたってあげます。テレビアニメの歌はありません。


3) 描画・造形
 本園は、描画は《上手な絵》 《きれいな絵》を描くことをねらいとはしません。
子どもの思いを絵で表すこと、それにはいっぱい話すことにより、具体的イメージを引き出し、それを絵で表現することが大事だと考えます。そのためには豊かな生活体験やあそぴ、豊かな人間関係を大切にし、それをお互いに話し合い、伝え合って描くことを大切にしてします。また絵を描くしっかりした腕、手指の器用さも大切です。そのようなことを考慮した描画の課業をやりたいと思います。
 また造形・工作活動は、手指の巧緻性が求められます。いろいろな素材や道具で、その特徴を知る経験、ものを作る・加工する楽しみを味わい、一つのものをたいへんではあっても、一人であるいは共同で作り上げる感激を体験できるような課業を計画します。


4) 環境認識・数
 環境認識:私たちをとりまく自然環境や社会環境を、その年齢=発達に応じた認識・理解をするための課業です。自然環境では、季節、動物、植物、食べ物の栄養・働きや味、人のからだ等の課業をします。また社会環境では、家族、社会、乗り物、さまざまな仕事・職業、さらに交通ルールや社会的決まり、生活習慣等の課業です。自分たちのまわりの環境を、《五感を通して》実際に見たり、触れたり、聞いたり、体験する中で、今まで以上に興味を引き起こすことにそのねらいがあります。 数:数(かず)の課業は、子どもたちの生活の中ででてくる、数、大きさ、長さ、重さなどの、数量やかたちを具体的な認識をとおして、その年齢=発達に応じて概念的に理解することをねらいとしています。数の合成・分解は、年中児(4歳)は6まで、年長児(5歳)は10までの数です。


5) 体  育
 本園の体育は、特別な体育的運動を教えたり特訓したりすることではありません。
ごく自然な子どもの動き《歩く、走る、とぶ、はう、投げる等》が、その年齢=発達に応じたものになるよう、いろいろな課題をとおして、やり遂げられ、からだをダイナミックに動かすことの喜びを知ること。それがからだを動かすあそぴが深まり、拡がることにつながります。それが脳・神経・感覚をつくっていくことでもあります。


未満児の保育未満児の保育
 ☆乳児(0才児)の保育で大切なのは、この世に生を受けた人間が、これから一人の人間として生きて行くうえで大切な3つの基本的なことを育てることだと考えます。それは@体づくり、A生体リズムに即した生活リズム(基本的生活習慣)、B人と人の心の通い合い(情動関係)です。

 具体的には、第1によく飲み(食べ)、よく出し、よく眠ること、つまり《快食・快眠・快便》を大事にします。次に体をよく動かす遊び、特に歩くことよりも這い這いやたかばい、歩行が確立したら散歩です。そして何をするにも《笑顔》と《ことば》を添えることです。特に人と人の関わりを育てるうえで大切なことは、《目》で「話せる」こと、そして「ことばで伝えること」です。

☆離乳食は、ながい食生活の始まり、食に自立への第一歩、味覚を育てる出発点ですので特に大事にして、順序を踏まえじっくり丁寧に行います。その時期は生後5〜6ヵ月からとします。

 なお母乳や人工乳(ミルク)から牛乳に代える時期が8ヵ月目頃からと言われていますが、本園では、アトビーなどのことを考え、1歳の誕生を迎えてからと考え行っています。

☆1・2才児は、《よく食べ、よく眠り、よくあそぶ》を心掛けます。つまり、体つくり、生活リズム(基本的生活習慣)の自立、遊びをとおしての諸機能及び知的発達を促す保育を考えています。特に本園では、散歩や運動遊びのほか、絵本、生活を再現したあそぴ「テーマあそぴ」、わらべうたやしぐさあそびを大切に考えています。

 五感を育てる

 人間が生きて行くうえで、まず大切なことは「五感」を育てることです。
中でも最初に育てることは、気持ちがいい、気持ちがわるい、という《快・不快》が分かるということです。ですから本園では「もらしてもサラッとしている」という紙おむつは使わず、布おむつを使います。
 そして未満児(0・1・2才)では「感覚あそび」を大切にします。それから「はだし」です。大地の感触をじかに味わうためです。

クラス名について

本園は仏教保育を行いますので、クラス名もそれにちなんだものです。

 ≪るんびに≫(未満児=0・1・2歳児)
釈尊(お釈迦さま)が、ご誕生になられた公園(花園)の名称。釈尊の母親マーヤー夫人は、お産のため里帰りの途中、花があまりにも奇麗に咲き乱れていたのでルンビニーの花園に休息されました。そのとき釈尊はご誕生になりました。そのご誕生をお祝いするのが4月8日の花まつりです。


 ≪かぴら≫ (3才児)
釈尊の出身国の名前。釈尊はインドの少数部族《シャカ族》の方で、国名をカビラと言いました。シャカ族は釈尊在世中に、隣の大国マカダ国に滅ばされます。


 ≪がんだーら≫ (4才児)
仏様を『如来』といいますが、意味は「真如(=真実・真理)から来たもの」ということで色も形もないものです。ですから仏教は本来、仏像はつくりませんでした。そのため釈尊を偲ぶものとして『仏足跡(ぶっそくせき)』つまり釈尊の足跡を礼拝の対象としました。それがアレキサンーダー大王のインド遠征以来、ギリシャとの文化・経済交流が盛んになり、ギリシャの彫刻技術がインドにもたらされ、仏像が彫られるようになったのです。その地域が『がんだ−ら』でした(仏様を拝むのは、その形を拝むのではなく、その背後のある如来を拝むのです)。


 ≪べなれす≫ (5才児)
 現在もガンジス河のほとりにあるインド最大級の宗教都市ヴァーナラシー。
イギリスは植民地時代に《ベナレス〉と言いました。植民地時代の呼称を使うことはよくありませんが、クラス名としてはヴァーナラシーよりベナレスがいいのではないかと思い採用しました。
 この地は、釈尊が悟りを開いた後、初めて教え(法)を説かれた記念すべき所です。当時ヴァーナラシーは、バラモン教の思想的支配が衰え、さまざまな思想家がこの地に集まり、自己の思想を展開していました。釈尊もそんな自由思想家の一人でしたので、ヴァーナラシーに赴き、その郊外で、かつて修行を共にした修行者に初めて仏教を説かれました。釈尊35歳ころではなかったかと言われます。これより45年間、釈尊は80歳までインド各地を布教の旅をされました。