お弁当の日~片道4キロ達成~

 午前9時10分、元気に保育園を出発。歌を歌いながら歩く三人の女の子達を先頭に、じっくりと探索を楽しみながら歩く子、友だちと見つけた筍を取り合ったり、棒を拾って歩く子など様々。
 鎌田工業の前の道から県道に出るまで約45分、この調子で本当に水源地まで歩き切るのか?と不安になりながらも子ども達を信じ、また行きつかなかったら送迎車で迎えに来てもらう手配もしていたので行ける所まで行ってみようという感じで歩き進めました。
 県道を渡りきるとそこからは下り道、子ども達の歩幅も広がりリズムよく歩き始めます。ここでも元気な歌が響き渡り、木陰で途中休憩すると早速シートを広げるいぶき君、Hちゃんもお弁当と勘違いしてお弁当の蓋を開けようとします。あわてて「ご飯はまだだよ」「お茶を飲んで、水源地まで行ってからご飯ね」と伝えると納得し、朝のおやつを食べながらお茶休憩をしました。
 しばらく行くと「何か音がする?」「何の音?」「行ってみよう」と音のする方に走り出しました。音が怖い子ども達は恐る恐る前に進みます。森林組合の方が重機を使用し木の運搬作業をされていました。日頃から農機具や働く車に興味関心が強い子ども達は夢中になって見入っています。大きな杉の木を持ち上げたり並び替えたり、地面に敷いてある重い鉄板を移動する光景は子ども達にとっては関心が強く、「すごいね」「ドンドンっていったね」とそれぞれに感じたことを言葉にしていました。
 田んぼの中ではトラクターが田植えの準備をしています。これもまた子ども達にとっては大好きな光景です。「何してるの?」「お仕事、頑張ってね」といっさ君が叫びます。
 かれこれ約2時間20分で水源地に到着。14名全員が最後まで歩き通しました。
 水源地に到着すると待ちに待ったお弁当の時間、好きな場所にシートを広げお弁当を食べ始めました。「帰りは送迎車で帰るからね」と伝えると「送迎車で帰るの」「送迎車で帰るんだって」と大喜び。歩き疲れた子ども達の表情が一変に代わり、食べ終わった子から田んぼのトラクター見学に立ち上がっていきました。
 今回の散歩を通して、子ども達の靴が自分の足に合った履きなれた靴だったからこそ、途中で歩けなくなって泣き出したり立ち止まったりする子もいなくて完歩出来たのだと思います。
 保育園では毎日散歩に出かけます。自分の靴がなく困っている子を見かけます。必ず靴での登園、置き靴の準備をお願い致します。
 途中で歩けなくて泣き出す子も、おもらしの失敗もなかったことに驚き、成長を感じます。子ども達のやる気をこれからも高め、達成感を味わえる活動を大切に過ごしていきたいと思います。

文責:大角 千代美