心育ち~ないおん8月号より~

 今年度も、毎月発行します私の園だよりでは、毎月配布しています『ないおん』の内容を題材に私の所見と仏様の教えを織り交ぜてお伝えします。
 8月のないおんは、心の話でした。私たちの行動の主導権は全て心が決めます。その心を育てるのは、親や兄弟、友達、先生、地域の方等、様々です。親としては、良い人良い友達に出会えれば、良い影響を受け、良い方向へ進むと考えますが、そんな簡単にいくものではありません。類は友を呼ぶとありますように、似たような者同士、気が合うので一緒に行動し遊ぶものです。そこで多くのことを体験し学び、楽しい経験を仲間で共有することが大事です。
 そこには、こどもが主体的に動き、学び、活動する場の保障が必要です。命に関わることは止めなければなりませんが、安易にこれは危ない、それはしたらいけないと、親が子どもの遊びに勝手にルールを決めて、遊ばせるとなると親の主体性が育ち、こどもは自然と受動的になり、指示待ち状態に陥り、遊びとはいえなくなります。こどもの主体性を伸ばす、心を育てることは「危険」との隣り合わせです。幼児期は良いことも悪いことも、安全なことも危ないことも「自分でしたい」「私がする」と主張してきます。頭ごなしに「危ないからダメ」と何回も断ると、こどもの主体的な芽を摘むことになりかねませんので、こどもを説得ではなく納得する方法を模索することが子育てであり、親育ちへとつながります。その繰り返しが親と子の信頼関係を結び、わざわざ口を出さずとも、自分たちで考えて主体的に遊びを展開していきます。心を育てる要素に保護者の働きかけは大事な要素です。

文責:中根 賢誠